半券にはデビュー戦の告知が全くされていなかった初代タイガーマスク。では、当日のパンフレットはどうだったのでしょうか。

タイガーがデビューしたのは「’81ビッグファイトシリーズ第2弾」。IWGP出場権をかけたアジア地区の予選リーグが売りとなっており、外国人はタイガー・ジェット・シン(序盤戦特別参加)、ボブ・バックランド(中盤戦特別参加)、スタン・ハンセン(終盤戦特別参加)、ケン・パテラ、エル・カネックらが参戦しています。

その中に、その後、タイガーの最大のライバルとなるダイナマイト・キッドも参戦していました。

参加レスラーのプロフィールや、シリーズの展望などが掲載されている中、やはりというかタイガーに関する記事は一切載っていません。

また、当日の対戦カードのスタンプ(当時は、ゴム印を対戦カード順に並べて輪ゴムなどでまとめて、スタンプを押していました)ですが、タイガーマスクの名前はありません。

キッドの対戦相手であるタイガーマスクのところは空欄になっています。

元全日本プロレスの川田利明選手のデビュー当時、スタンプの名前がカタカナの「カワダ」となっており、これは不要になった外国人レスラーのゴム印を1文字ずつ再利用したもので、団体側としてはいつやめるか分からないデビューしたての若手のゴム印など作っていられないという思いがあったのではないかという逸話があります。

そう考えると、タイガーマスクもこれから継続的に参戦させるつもりは無く、もし試合がしょっぱかったら、タイガーマスクは1夜限りと考えていたのかもしれません。