9月4日、豊田市体育館からの生中継では、藤波辰巳と組んで、ピート・ロバーツ&エル・ソリタリオ組とのタッグマッチがオンエアされています。

THE WRESTLER Vol.3 81年9月4日 豊田大会

放送の冒頭では、アメリカでの「アンドレvsカーン」の試合がオンエアされ、その後に、タイガー組の試合となります。

タイガーが先導し、藤波の入場テーマ「ドラゴン・スープレックス」に乗り、入場してきます。

中継は試合開始からオンエア

興味深いのは、タイガーとロバーツの攻防。ビジャノ戦以後、メキシカンとの絡みが多かったタイガーが、英国レスリングのテクニシャン、ピート・ロバーツとヨーロッパ式のレスリングを展開していきます。

ロバーツは、タイガーがまだ素顔で海外修行に行っている頃、メキシコからイギリスに移る際に、いろいろと尽力してくれた、旧知の仲ということです(当時はそんなことは分かりませんでしたが)。

ロバーツも日本での自分の立場を理解しているのか、ヘビー級とタイガーよりも一回り大きな体でありながら、威圧的なレスリングをするわけでも無く、タイガーとの密着したレスリングの攻防を展開していきます。

タイガーは、その合間にローリング・ソバットなど打撃技などを入れていきますが、ここで、「ロバーツと互角の攻防を繰り広げるタイガー」「タイガーはロバーツにはない打撃や飛び技を持っている」「よってタイガーの方がロバーツより上手」というロジックが生まれ、見ているファンに「タイガーは実力派だ」と印象付けることに成功していると思いました。

最後は、自らロープに走った藤波のボディにカウンターのヘッドバットを食らわせようと前屈みになったロバーツを、藤波が飛び越え、回転エビ固めに決め3カウントのフォール勝ち。

試合終了後も、タイガーと爽やかに握手を交わすロバーツでした。