新日本プロレスは、1974年より毎春、国内外のレスラーが勢揃いしたシングルマッチのリーグ戦「ワールド・リーグ戦」を開催していました。ナンバーワンが決まるだけで無く、普段ならば対戦しない日本人レスラー同士の対戦も年に1回見られるということで、好評を博していましたが、1978年より、「MSGシリーズ」と名称を変え、第5回まで続きました。
「ゴング」3月号に早くも「第5回MSGシリーズ」の展望が語られています。しかし、記事が書かれたのが新日本プロレスからの正式発表がされる前の1月18日ということで、実際の参加メンバーとは顔触れがやや違っています。
ちなみにヘビー級レスラーによるリーグ戦のため、ジュニアヘビーのタイガーは当然ながらリーグ戦不参加。当初の予定では、この間に海外遠征に行く予定だったようです。
しかし、人気爆発中のタイガーマスクですから、各地のプロモーターからの参戦リクエストもあったのでしょう、全戦フル出場が決定します。
また、シリーズ中の3月6日に旗揚げ10周年を迎え、記念大会の開催も決まっていましたから、大会に花を添える形としてタイガーの参戦は必要不可欠だったということもあったのかも知れません。
ただ、前年末の「第2回MSGタッグリーグ」では、ヘビー級レスラーによるリーグ戦のためタイガー向けのジュニアヘビー級レスラーが参戦しておらず、対戦相手も若手や中堅レスラー中心で、タイガーは前座に甘んじることになってしまいました。
しかし、WWFジュニアヘビー級タイトルも獲得し、新日本プロレスの看板レスラーとなっていたタイガーでしたから、同様に前座でお茶を濁すというのは勿体ないということもあったからでしょう、タイガーの対戦要員として数名のレスラーの参加が決定しています。
まず、前年11月にタイガーと対戦して惜しくも敗れたグラン浜田が、タイガーとの再戦を表明したことを報じています。また、ブラックマンの来日が決定したことも報じられています。
さらに、スティーブ・ライト、コロソ・コロソッティが参戦すること、前夜祭で、タイガーとライトのWWFジュニアタイトル戦が決定したことも報じられています。
なお、シリーズ後の4月21日の蔵前大会に謎の覆面レスラー「ブラック・タイガー」がタイガーに挑戦することも発表されています。