新日本プロレスは「1000万円を世界の難民に送ろう!」の名目で、「難民義援金募集」の慈善興行を4月21日の蔵前国技館で開催することを発表しました。
タイガーマスクは、謎のマスクマン、ブラック・タイガーとの対戦が発表されます。既成のマスクマンでは無く、明らかにタイガーマスクの対戦相手として作られたマスクマンということで、「ブラック・タイガーの正体が誰なのか!?」に、ファンの注目が集まっていきます。
「週刊ファイト」紙では、最初はメキシカンではないヨーロッパ系という点から、「クリス・アダムスが有力では無いか」と予想していました。
「タイガーマスクを倒すために送られてきた刺客」ということで、かなりの実力者の変身であろうと、かなり劇画チックではありますが、テレビ的なキャラクターとしてはこの上無いものとなります。
また、新日本プロレスが蔵前大会を行う翌22日に全日本プロレスが東京体育館でビッグマッチを開催するということで両団体の興行戦争が勃発、「別冊ゴング」「月刊プロレス」誌では、両大会の注目ポイントについて解説しています。
ここで、ブラック・タイガーの正体として『ローラーボール・マーク・ロコ』の名前が挙がってきます。
また、ブラック・タイガーの正体が実力者であることや、ラフに強いことを強調し、「タイガーピンチ!」を煽っていきます。
同じジュニアヘビーのグラン浜田とペロ・アグアヨの対戦も決定。その後のシリーズに2人の参戦も決定していることから、ジュニア戦線が熱くなってきます。
ここでロコに関する興味深い記事を1つ。「ビッグレスラー」誌の82年6月号にロコの記事が掲載されています。ブラック・タイガーの正体としてではなく、ヨーロッパのレスリング事情を報じた「キャッチ・ジャーナル」というコーナーで、前号からの流れの中でロコが登場しているのです。
記事の中では、ミドル・ヘビー級王座に就いた経緯について、サトル・サヤマの変身であるサミー・リーとの間で行われるはずだったタイトル戦が、サミーの家族の大事でキャンセルになったというエピソード(実際はタイガーマスクとして試合をするための帰国)が書かれています。
ただ、同誌にもブラック・タイガーの正体についての記事も掲載されています。