4月21日の蔵前大会でタイガーマスクと対戦するブラック・タイガー。来日を控え、タイガーに対し「『敗者はマスクを脱ぎ、国外退去』を申し出た」という記事が掲載されます。

東京スポーツ 82年4月18日号
東京スポーツ 82年4月18日号

正体不明というミステリアスな部分に加え、ヒールチックで、その自信が窺えるブラック・タイガーの発言により、『タイガー初の敗北となってしまうのか!?』とタイガーファン(特にチビッコ)はドキドキしながら当日を迎えることになります。ただ、実際に本人が言ったかどうかは怪しいですが(笑)

そして、いよいよブラック・タイガーが日本上陸。ついにそのベールを脱ぐことになります。

東京スポーツ 82年4月22日号

ん?ブラック・タイガー?

タイガー同様のラインの入ったショートタイツと、上半身を覆い尽くすコスチュームは見覚えがありますが、そのマスクは我々が知っているブラック・タイガーのそれとは違います。

その答えが、2016年にタツミムックより発売された「Gスピリッツ Vol.41」の中の初代ブラック・タイガーへのインタビューの中にあり、ここで初来日の様子が本人の口から語られています。

Gスピリッツ Vol.41(タツミムック)

ブラック・タイガーとしての来日が決定したマーク・ロコに、新日本は「飛行機を降りてくるところからマスクを被ってほしい」と要請。しかし、当時の英国にはマスク職人というのは存在せず、そこでロコはリングシューズを作っていた職人にマスク製作を依頼したそうです。そしてそのマスクを持ってロコは来日。そのマスクが今回のマスク、そして試合前には新日本プロレスからマスクを渡されてそれを着用したということで、それが我々の知るブラック・タイガーのマスクだったということでしょう。

そのインタビューの中で「マスクは飛行機を降りる直前に被り、数人のセキュリティーに囲まれて入国する姿がプレスに撮影された」と話しているのですが、今回改めて確認しましたが、そういったシーンが撮影された記事は見つかりませんでした。