この日は通常のワールドプロレスリングの放送枠では無く、「水曜スペシャル」の枠で午後7時30分から生中継されます。
オープニングで会場の模様と控室のアントニオ猪木の姿が映し出されます。
まずはタイガーとブラック・タイガーのWWFジュニアヘビー級タイトルマッチから。実況は古舘アナ。
まずはQUEENの「フットボール・ファイト」に乗りながらブラック・タイガーが入場。控室を出る場面からカメラが追っていきます。
続いてタイガーの入場。
タイガーは手を差し出して握手を求めますが、これをブラックは拒否。そして試合が始まります。
ブラックは、パンチ、キックなどの荒っぽい攻めでタイガーにペースを掴ませず、互角の攻防が繰り広げられます。
ブラックは場外に落ちたタイガーにトペを放つなど、器用な面を見せます。
続いて鉄柱にタイガーをぶつけるのですが、テレビ越しにも「カン!」という音が聞こえるほど強烈な攻撃で、この後、リングに戻ったタイガーの動きが明らかに鈍くなります。
ブラックのトップロープからの攻撃をデッドリードライブで切り返し、ドロップキックを見せるのですが、距離が全くあっておらず自爆。先ほどの鉄柱攻撃のダメージがうかがい知れます。
その後もブラックはキック、パンチといったラフ殺法を中心に、タイガーを攻め込みます。
時折タイガーも反撃を見せるのですが、ブラックはすぐに切り返しなかなかペースを掴ませません。ただ、ブラックも特に大技を見せるわけで無く、後にタイガーが「梅雨の雨のようなジメジメした」と評したように、しつこくネチネチと攻め込んでいきます。
ここでブラックは、後に「暗闇脳天」と呼ばれるツームストーン・パイルドライバーを見せます。
ここで少し奇妙なシーンが。ダウンしたタイガーに対し、ブラックがフォールの体勢に入っていないのにも関わらず、山本小鉄レフェリーがカウントを入れるのです。
二発目のツームストーンを狙ったブラックですが、ここはタイガーが上手く切り返し、お返しのツームストーン・パイルドライバー。
しかし勝負を焦ったか、ダイビング技を狙いますがブラックにかわされます。
ブラックはブレーンバスターの体勢から、腹部をトップロープに叩きつける荒技に出ます。
バックを取ったタイガー。必殺のジャーマン・スープレックス・ホールドが見られるかと思いきや、ブラックは右足を大きく振り上げてのローブロー。今まで、タイガーのジャーマンをこのように切り返したレスラーはいなかったため、当時見ていた私も「この手があったか!」と感心(?)したことを覚えています。
しかしバックを取ったタイガーは、お返しとばかりにブラックを大きく担ぎ上げ、トップロープにブラックの股間を叩きつけます。
場外でダウンするブラックに、タイガーはトップロープを飛び越えてのボディプレス。
タイガーはブラックの足を掴み、リングに戻るのを阻止。また、リングに入りかかったブラックを強引に場外に引っ張ります。
山本小鉄レフェリーのカウントが進み、ここで両者リングアウト。タイガーは場外でサンセットフリップから足四の字固めを決めますが、タイガーが引き分けに持ち込んだ形となりました。
タイガーはベルトを防衛しますが、終始ブラックのペースで試合が進みタイガーは大苦戦、最後もタイガーが強引に両者リングアウトの引き分けに持ち込んだことから今ひとつスッキリせず、「ブラック・タイガー強し!」という印象が残った試合でした。