「ビッグファイト・シリーズ」開幕戦の4月23日。この日は金曜日で「ワールドプロレスリング」のレギュラー放送が行われるはずでしたが、野球中継のため放映は無しとなってしまいました。

82年4月23日 大宮大会

しかし、マニアによる生撮りが残っており、大宮スケートセンターの開幕戦の様子を知ることが出来ます。

この日のタイガーは、ホセ・ゴンザレスとシングルマッチを行っています。

試合は腕の取り合いから、グランドの攻防が展開されていきます。

ゴンザレスがコブラツイストを見せると、タイガーはバックキックで脱出。タイガーのトリッキーな動きとゴンザレスが視界の外からの攻撃を受けて困惑する姿に場内からは歓声が起こります。

タイガーはサマーソルト・キックからショルダースルー、ドロップキックの連続攻撃でゴンザレスを翻弄。

ゴンザレスはパンチやキックといったラフな攻撃を繰り出し、タイガーを踏みつけるなど憎らしいポーズを見せます。

また、館内に沸き起こるタイガーコールには、不機嫌そうな様子を見せるなど、ヒールチックな、動きも見せます。

エプロン越しのボディプレスを見せたゴンザレスでしたが、タイガーはこれをかわし、フライングクロスアタック。

ミドルキックからローリング・ソバット!

最後はサマーソルト・ドロップを決めてタイガーが快勝します。

ゴンザレスの動きもそれほど悪くは無かったのですが、タイガーの対戦相手(引き立て役)という日本での自分のポジションを理解していたためか、憎々しい動きで観客のヒートを買いながら試合を進めていくといった感じで、ジュニアに求められるスピーディーな動きや、何か特筆すべき点があるわけでも無かったため、それ以上でもそれ以下でも無い二流レスラーという印象は拭えませんでした。

後年、プエルトリコでのブルーザー・ブロディ刺殺犯として悪名を轟かせることになってしまいましたが、それが無ければ日本では名前が残らないレスラーだったでしょう。