この頃の「ワールドプロレスリング」は、1時間の放送で3試合がオンエアされることが多く、番組オープニングの試合はタイガーが登場するジュニアの試合、そしてセミファイナルのヘビー級の試合、メインにアントニオ猪木の試合といった形がフォーマットとなっていました。

「ビッグファイト・シリーズ」には、アブドーラ・ザ・ブッチャー、バッドニュース・アレンらヘビー級レスラーも多く参戦してはいましたが、アントニオ猪木がヒザの負傷で欠場し、長州力はメキシコに遠征中、キラー・カーンはアメリカに戻っていたこともあって、日本陣営は手薄になってしまい、マッチメークのヴァリエーションが限られてしまいます。

そこで、実力派のジュニア戦士が大挙来襲していたこともあってか、メインの前の試合で、星野勘太郎vsブラック・タイガーのシングルマッチが放映される、「ワールドプロレスリング」の1時間の枠の中でジュニアヘビー級の試合が2試合放映されることになります。

共に実力者である2人。試合は首や腕の取り合いで始まります。

B・タイガーは得意のブレーンバスターの体勢からトップロープに腹部を打ち付ける荒技を見せます。

ここで必殺の暗闇脳天を見せますが、星野はキックアウト。

星野のトップロープからのダイブをかわしたB・タイガーは、逆にトップロープからの攻撃を狙いますが、こちらも切り返されてしまいます。

場外の星野にトップロープからのダブル・スレッジハマー。落差は3mほどもあろうかという豪快なダイブ技を見せます。

最後はブレーンバスターを決めたB・タイガーが星野に勝利しました。

B・タイガーのファイトスタイルは、ちょこまかと切れ間無く攻めてくるスタイルで、見方によってはやや落ち着かない感があります。また星野もあまり相手の技をスッキリと受けなかったり、攻撃にミスがあったりして、時折ちぐはぐな攻防になる場面もありました。

しかし、さすが星野はキャリア20年のベテラン、B・タイガーも素顔のマーク・ロコでデビューしてから10年超えのキャリアでしたから、試合としては十分成り立っていたのかなと感じました。

また、B・タイガーはテレビ登場が2回目。初戦の蔵前大会ではタイガーを圧倒し、2戦目は星野を撃破。これでファンに「B・タイガー強し!!」が強く印象づけられたのではないでしょうか。