少年サンデー(小学館)に連載中の「プロレススーパースター列伝」の単行本の「タイガーマスク編」がいよいよ発売されます。
初版が1982(昭和57)年9月15日となっているので、実際は7月頃の発売でしょうか。
1巻につき8話、約2ヶ月分の連載が収録されていることになります。
9巻にはデビュー戦からベビー・フェース戦までを、当時タイガーの正体であろうと言われていた佐山サトルに関するエピソードを踏まえながら、タイガーの正体に迫る展開となっています。
タイガーでプロレスファンとなった私は、ここで「佐山サトル」という名前を知ることになります。これだけ「佐山サトル」がフィーチャーされておいて、正体が「佐山サトル」ではないということは無いわけで…ただ、「佐山サトル」と分かっても「佐山サトル」自体を知らないのであまり関係なかったですね(笑)。
「タイガーが制裁のためにソラールの腕を故意に折った」というエピソード(実際はアクシデント)はここからですね。
タイガーからプロレスに入った私は、これを見て「カネックって何て憎たらしいヤツなんだ!」と思ったことを覚えています。
佐山サトル時代のマーク・コステロとの一戦も、物語を盛り上げるためか佐山の惨敗として描かれていますが、実際はそこまで一方的ではなく、周囲からも佐山の大健闘として評価されていたようです。
「コステロ戦の敗戦から、佐山がキックボクシングのジムに通い始めた」となっていますが、実際は「既にキックボクシングのジムに通っていた佐山に、コステロの対戦相手として白羽の矢が立った」ということです。
ちなみにこの単行本ですが、1巻は「アブドーラ・ザ・ブッチャー編」で、単行本収録順が雑誌掲載順(実際は「ザ・ファンクス編」が最初)とは違っています。
その後も、少年サンデー誌では、スタン・ハンセン、アブドーラ・ザ・ブッチャー、アンドレ・ザ・ジャイアント、ミル・マスカラス、タイガー・ジェット・シン、BI砲(ジャイアント馬場&アントニオ猪木)、カール・ゴッチ、リック・フレアーと続き、タイガーマスクとなりますが、単行本はハンセン、マスカラス、ファンクス、シン、アンドレ、馬場&猪木と続いてタイガーとなっており、フレアーはハルク・ホーガン、ブルーザー・ブロディ、ザ・グレート・カブキの後、単行本としては最終巻となった17巻で登場、ゴッチに至っては単行本未収録となりました(その後の文庫本などでようやく掲載)。
順序が入れ替わった経緯は不明ですが、雑誌掲載時のプロレス界の状況によって変更されたのだと思います。