4月30日のワールドプロレスリングは、神奈川県大和市車体工業体育館からの実況生中継。タイガーはグラン浜田と組んで、レス・ソントン、ペロ・アグアヨ組と対戦します。

番組のオープニングでは、両チームがリング上で対峙している姿が映し出されます。

 

CM明け。2分経過した辺りから中継が始まります。実況は保坂正紀アナ。翌週にはタイガーのWWFジュニアヘビー級王座にアグアヨが挑戦するタイトルマッチが予定されており、その前哨戦となります。

試合は浜田とアグアヨでスタート。

タイガーがリングインすると場内は大歓声。しかし、タイガーの右ヒザにサポーターが巻かれていることに保坂アナが言及。解説の山本小鉄氏が「4月25日の試合でブラック・タイガーとの試合(タッグマッチ)で負傷した」と説明が入ります。

タイガーはショルダースルーからローリング・ソバットを見せますが、いつものような高さも無ければ威力も全く無く、右足を庇いながら恐る恐る着地。明らかにまともな試合が出来ないことが分かりました。

やはりヒザの調子が思わしくないタイガーはすぐさま浜田とタッチ。

タイガーは再びリングインしますが、ソントンはタイガーの右ヒザに攻撃の的を絞ります。

続いたアグアヨもタイガーの右ヒザに攻撃を集中していきます。

タイガーになかなかタッチをさせず、また、アグアヨがレフェリーの隙を突いてリングに入りタイガーに攻撃を加えるなど、絶妙な連携でタイガーの右ヒザを攻めていきます。

タイガーのタッチを受け、ようやくリングインした浜田は八面六臂の大活躍!2人掛かりの攻撃をはねのけ、相手チームを翻弄します。

タイガーは再度リングインしますが、再び右ヒザを狙われ、捕まってしまいます。

また、ソントンがレフェリーの気を引いて、浜田がタッチした瞬間を見せずにタッチを認めさせなかったり、レフェリーが浜田に注意している隙に2人掛かりの攻撃を加えたりするなど、タイガーの捕まる時間が長くなり、観客のフラストレーションが溜まっていきます。

タイガーはジャンピングハイキックでピンチを脱出。ようやくタッチを受けた浜田は、再び2人をなぎ倒す大活躍で、館内は大歓声に包まれます。

ソントンが場外に落ちた浜田を押さえているところへアグアヨがトペを放ちますが、これを浜田がかわしたため同士討ちに!浜田はお返しのトペを決めます。

最後は4者入り乱れての両軍リングアウト、引き分け試合となりました。

全く試合にならないタイガーの負傷の度合いに、翌週のタイトルマッチに暗雲が立ちこめます。

東京スポーツ 82年5月2日号