8月6日の「ワールドプロレスリング」は8月5日の蔵前国技館大会からの録画中継。タイガーはダイナマイト・キッドとのWWFジュニアヘビー級タイトルマッチを行います。

ゴング 82年9月号(日本スポーツ出版社)

82年8月5日 蔵前大会

THE WRESTLER Vol.10

こちらも当時の放送のワールドプロレスリングを所有していないため、どのように番組が進んでいったか分かりませんが、実際にオンエアに乗ったのはタイガーvsキッドとメインエヴェントのボブ・バックランドと藤波辰巳のWWFヘビー級タイトルマッチの2試合だったようで、おそらくタイガーの試合も両者の入場シーンからオンエアされていたのだと思われます。

後年CSで放送されたものも両者の入場シーンから放送されています。

まずはキッドが「マジック」に乗ってブレット・ハートと共に入場してきます。

続いて「タイガーマスクⅡ世」に乗ってタイガーが入場。

この日の実況は保坂アナ。放送席には欠場中のアントニオ猪木が解説に加わります。

さすがに最終戦のビッグマッチということもあったのか、ハートはミスター高橋の指示に従い控室に戻り、試合に干渉することはありませんでした。

両者の握手から試合が開始。

開始早々、キッドがタイガーのリストを取ってタイガーを後方に引きずり倒すと

タイガーはニップアップで立ち上がり

キッドの膝当たりに足をかけながら飛び越えてリストのロックを外します。

ロープに走ったキッドをリープフロッグでかわすと(キッドは前転して次の攻撃に備えています)

お互いにロープに走り

キッドはクロスボディを狙いますが、これはタイガーがかわします。

立ち上がったキッドに対しすぐさまタイガーはローリングソバット!

キッドは場外に転落しますが、

キッドはすぐさまリング内に生還。タイガーはロープに走り

クロスボディを決めます。

試合開始の20秒ほどでいきなりこれほどの高度な攻防ができるのは、この2人だからこそであって、この後もお互いの裏の裏をかいた攻防が見られます。

キッドのキックをガードしたタイガー

再びキッドが繰り出したキックを、腕をクロスさせながら防御し

体を回転させながらの足払いでキッドを倒します。

倒れたキッドにエルボーを落としますが、これをキッドが避けると

キッドはタイガーにモンキーフリップを繰り出しますが

これをタイガーが着地。

キッドがドロップキックを見せますが、これはタイガーが避けます。

猪木も「キッドはまだまだ上り調子。何度やってもいい試合になるであろう。タイガーも油断すると取られてしまう。」とキッドを高く評価しています。

タイガーを場外に転落させると

場外でブレーンバスター。当時はまだ高速式ではなかったため、逆にタイガーは高い位置からマットに叩きつけられます。

続いてギロチンドロップ。

リング内に戻った後も、サイドスープレックスでタイガーを攻め込みます。

ブレーンバスターの体勢で担ぎ上げますが、ロープ際だったためキッドのみが場外に転落。

追いかけていったタイガーはフェンスにキッドをぶつけます。

リング内に戻ったタイガーはタイガードライバーから

サイドスープレックスでキッドを攻め込みます。

アームホイップでタイガーを投げると

立ち上がったタイガーをドロップキックで再び倒し

すぐさまニップアップで立ち上がったキッドは、タイガーに攻撃を繰り出そうとしますが

タイガーにかわされてしまい、場外に飛ばされてしまいます。

リング内に戻ろうとするキッドに対し、タイガーはロープに走り次の攻撃を狙います。

エプロンのキッドにクロスボディを放ちますが、これははキッドにかわされてしまいます。

試合も中盤に入ってなおもこういったお互いに裏の裏をかくような攻防が見られ、試合のレベルの高さを改めて感じさせられます。

キッドの足を攻めるタイガー。放送席でも「キッドがいつもより苦しそうな表情を見せている。足を痛めているのではないか?」という話題になります。

タイガーのフライング・クロス・アタックをかわすと

コーナーからの位置を確認しながら必殺のツームストーン・パイルドライバー!

そして飛距離のあるダイビング・ヘッドバット!!!

これをタイガーはキックアウト。

一気に攻め立てるキッドを場外に落とすと

ノータッチのトップロープ越えのプランチャ・スイシーダ!キッドはフェンスに体を叩きつけられます。

サイド・スープレックスの体勢でキッドを担ぎ上げ

そのままツームストーン・パイルドライバー!!

コーナーに跳び乗ったタイガーは、ラウンディング・ボディ・プレス!!!

タイガーがフォール勝ちを納め、タイトルを防衛しました

タイガーのツームストーンで鼻血を出したキッド。技の衝撃が伝わってきます。