プロレスマスクは、職人さんが1枚1枚手作りをしているため、作り手によって表情が変わってきます。

現在、出回っている物の中には、当時の型紙も残っていない(であろう)ためにそれぞれのパーツの形が当時の物と違っていたり、また精巧に再現されたパーツでも、取り付け方が微妙に違っていたりすると、全く違う表情になってしまう場合もあります。

当時の製造メーカーが作ったものでも、「ん?」と思ってしまうものもあり、私のコレクションの基準として、最終的に自分の中でイメージされている物にどれだけ近づいているか、自分がどれだけ納得できるかが入手のポイントとなっています。

そんな中、表情だけでなく、素材や製法などもこだわりを持って当時に近づけたマスクを作っている職人さんもいらっしゃいます。

こちらは牙付き2号を再現した物になります。

牙付き2号は、8月12日から蓼科で行われた合宿で初使用され、試合では8月21日の「ブラディ・ファイト・シリーズ」の開幕戦からの使用が確認されています。

主な再現箇所は以下の通り
・特徴的な鼻と下牙の非対称
・ビニールのような薄手の模様素材(口の赤のみ本革)
・当時と同じ素材での厚手の耳中敷
・耳裏素材を当時と同じ伸びない白生地で
・耳は黄色生地にて裏打ちした上で手縫い(白糸二本取り二週)
・紐通しの二重ステッチと鼻裏貼りステッチを、模様の上から後縫い(黄色ステッチが模様の上に露出)
・当時と同じ裏張りの伸びない黄色生地
・鼻の独特な折り癖
・鼻と口の開口部ラメは切り抜きではなく、裏張りを袋縫処理
・三本髭と後頭部縞模様の一個づつの形状な差異を再現
・目の周りは白く加工