9月3日のワールドプロレスリングは、福岡スポーツセンターの控室から、復帰を果たしたアントニオ猪木へのインタビューから始まります。
その後、藤波辰巳とタイガーが遠征をおこなったマジソン・スクエア・ガーデンからの中継。
まずは古舘伊知郎アナのMSGの紹介から。
そして藤波がジノ・ブリットからWWFインターナショナルヘビー級タイトルを奪取した試合がオンエアされた後、タイガーとダイナマイト・キッドによるWWFジュニアヘビー級タイトルマッチが始まります。
両者のコールの後、試合は3分を経過、キッドがサイド・スープレックスを決めたところから始まります。
キッドのヘッドシザースを脱出するタイガー。
キッドは打撃攻撃からブレーンバスター!
キッドはタイガーをコーナーマットに叩きつけ、タイガーがふらふらと戻ってきたところをカナディアン・バックブリーカーの要領で抱え上げますが、これはタイガーが体を捻って腕を取りながら脱出します(デビュー戦でも見せたムーブですね)。
先に立ち上がったタイガーは、遅れて立ち上がったキッドにローリング・ソバット!
勢いでコーナーに飛ばされたキッドにサマーソルト・キック‼
逆襲を試み突進してきたキッドをタイガーはショルダースルーでかわし、
ハイアングルのドロップキックを決めてキッドを場外に落とすと
フィンタ・デ・レギレテでキッドを翻弄します!
初めて見るタイガーのムーブに、MSGの観客も大興奮!ヤンヤの歓声を送ります‼
負けじとキッドも反撃を見せます。
キッドはハイアングルのボディスラムから
ダイビング・ヘッドバットを狙いますが、タイガーがかわしたため自爆に。
タイガーはブレーンバスターを決めると
コーナーに駆け上がり、ラウンディング・ボディ・プレス‼
見事ピンフォール勝ちを収めます。
マジソンの観客の声援にこたえるタイガー。見事にタイトルを防衛を果たしました。
こちらの試合のオンエアされなかった部分を含めた完全版は、DVD「初代タイガーマスク~猛虎伝説~Vol.3」等で見ることができます。
まずは両者のボディチェックから。
華麗なステップから
回し蹴りで牽制し
キッドのキックをさばいての足払い。
腕の取り合いからキッドの投げを着地するタイガー。
キッドに足を取らせての後ろ回し蹴り、と過去の試合でも見せた一連の動き。
我々としては定番の、ある意味見慣れた動きですが、初めて見るMSGの観客はその華麗なムーブに早くも大歓声を送ります。
タイガースピンでキッドを倒すとレッグロックに
反撃に出たキッドは激しい打撃攻撃。
ボディスラムでタイガーを倒し
セカンドロープからのニードロップ!
ここからキッドがサイドスープレックスを決めるところにつながります。
2008年に発売されたDVD-BOX「初代タイガーマスク大全集~奇跡の四次元プロレス 1981ー1983」のVol.2「佐山サトルが激白!厳選十番勝負」で、佐山氏本人が幾多の名勝負の中から10試合を厳選し、その試合に対する想いを語っているのですが、その中でキッドとの試合が2試合選ばれています。
そして数あるキッドとの名勝負の中で佐山氏が選んだのが、81年4月23日のデビュー戦と、このMSGの試合なのです。「観客の反応がイギリスと似ていてやりやすかった」「試合前に会場を見て武者震いがした」「マジソンという憧れの場所でこれだけ観客にうけたのは感慨深い」とタイガーにとっても思い入れのある試合だったようです。
これでタイガーのNSG初登場は大成功。多くのファンを魅了することとなります。決して長くはない試合でしたが、短い時間の中にタイガーの良いところが凝縮された試合だったと思います。やはりこれもキッドが対戦相手だったからでしょう。日本デビュー戦もそうでしたが、タイガーの良さを引き立てることができるキッドは適役だったといえますね。