タイガーのマスクは何度かモデルチェンジがされていますが、闘魂シリーズ中の10・15大垣大会より、鼻下の部分が大きくカットされた「ヤギリ」タイプが使用されます。

「ヤギリ」の呼称は口元が八の字にカットされていることから「八切」と、鼻横の3本髭の模様が矢尻(やじり=矢柄の先端に取り付ける武器)に形が似ているから「矢切」の説があります。

しかし、このマスクも10・26大阪大会で小林邦昭によって破られてしまいます。

こちらは、その破られたマスクを再現したものになります。

右の目元部分から左目下に向けて、大きく引き裂かれています。

ブラウンメタリックの縁取りも特徴の1つとなります。

鼻横の模様の向きによって「ヤギリ」「逆ヤギリ」と区別されていますが、ちなみに矢のような模様が上向きのものを正調の「ヤギリ」、下向きのものを「逆ヤギリ」と呼んでいます。

ヤギリタイプのマスクはこれが初出となりますが、「逆ヤギリ」と呼ばれています。本来ならば先に出てきたこちらが正調「ヤギリ」となるはずですが何故でしょうか?

おそらく、以前はマスクの区別が大まかで、鼻下が大きく開口したものが「ヤギリ」として括られていたのでしょう。しかし研究が進む中で、矢尻の模様の取り付け方が違うものが散見されることから、メディアでの露出が多く最初に「ヤギリ」と認識されたものを正調「ヤギリ」と呼び、その反対のものを「逆ヤギリ」と呼ぶようにしたと思います。ちなみにこの違いはマスクを製作した豊島氏の付け間違いだったと言われています。

また、開口部のカットも横一直線に近い丸口のものと、カットが直線に近い縦口のものがあることが分かりましたが、最初に認識されたものを「ヤギリ」としたためそう呼んでいるのではないかと思います。

最初の牙付きから比べると虎らしさがより無くなってしまったのは残念でしたが、より呼吸がしやすいようにと機能性を追求したタイガーらしさが垣間見えるデザインで、翌年の6月まで使用されることになります。