ジュニアヘビー級のレスラーが大挙来襲してきた「ビッグファイト・シリーズ」。

まず、シリーズ前の4・21の蔵前大会ではタイガーのWWFジュニアヘビー級王座にB・タイガーが挑戦し、引き分けでタイガーがタイトル防衛。また同日、浜田とアグアヨの間でUWA世界ミドル級&WWFライトヘビー級王座のダブルタイトルマッチが行われ浜田が勝利しています。

そしてシリーズに入ってからはタイガーのWWFジュニアヘビー級王座にアグアヨが挑戦、ソントンのNWA世界ジュニアヘビー級王座にタイガーが挑戦し、勝敗の如何に関わらずソントンとタイガーの再戦が行われ、最終戦でWWFジュニアヘビー級王座(タイガーvsアグアヨの勝者)に浜田が挑戦と、蔵前大会を含めて全部で6回のタイトルマッチが行われる予定でした。

基本はチャンピオンのタイガーがアグアヨを退け、ソントンのベルトを奪取、二冠となったタイガーが浜田を退け、真のチャンピオンと認められるといった流れになる予定だったのでしょう。

しかし、タイガーは右ヒザ負傷でシリーズを途中から欠場。予定していたタイトルマッチを行うことが不可能になってしまいます。

ここで名前が挙がってきたのがB・タイガー。シリーズ中のタイトルマッチに名前は連ねられていませんでしたが、B・タイガーの予想以上の実力者ぶりから関係者の中で「これはいける!」となったのでしょう、タイガーが返上し、空位となったWWFジュニアヘビー級王座の決定戦が、B・タイガーと浜田の間で行われることが決定。B・タイガーがタイトル戦線に絡んできて、その動向に俄然注目が集まってきます。

5月2日の後楽園大会、タイガーは新間寿氏とリングに上がり、欠場の挨拶とWWFジュニア王座の返上を発表していますが、この日はノーTV。残念ながらこちらの映像は残っていません。しかし、WWFジュニア王座決定戦の前哨戦となるB・タイガーと浜田が絡んだタッグマッチの生撮り映像が残っています。

THE WRESTLER Vol.8 82年5月2日 後楽園大会

浜田は星野勘太郎と、B・タイガーはアグアヨとタッグを組んで対戦しています。

試合前に、外人組は花束で日本人組を襲い、荒れた展開が予想されます。

こちらはB・タイガー得意のダックアンダースープレックス。

星野をトップロープに固定したB・タイガーは、反対側のロープに走って攻撃を狙いますが、これは星野がかわします。

フォールの体勢に入って浜田に、アグアヨはセントーンでカットを試みますが、浜田がかわしたために失敗。同士討ちに。

星野は体の小ささをカバーする、ジャンピング式のバックドロップ。また、ジャンピングネックブリーカードロップと畳みかけます。

コーナーからの鉢合わせを狙った外人組でしたが、日本人組はこれを巧みにかわしてドロップキックで反撃!

場外に落ちたアグアヨに浜田はトペを見せます。

最後は、B・タイガーは得意のブレーンバスターの体勢から腹部を打ち付ける攻撃から、ツームストーン・パイルドライバーを見せ星野にフォール勝ち。外人組が勝利を納めます。

試合後も乱闘を繰り広げる両チーム。前哨戦はB・タイガーやや優勢といった感じでしょうか。

東京スポーツ 82年5月4日号