6月11日のワールドプロレスリングは、5月25日の静岡産業館で行われた、レス・ソントンの保持するNWA世界ジュニアヘビー級王座にタイガーが挑戦するタイトルマッチがオンエアされます。
両者のコールが終わった後、一旦CMへ。そして、CM明け、試合開始のゴングが鳴ります。
ソントンの投げを切り返してドロップキック。ソントンを翻弄します。
ソントンもラフ殺法からヘッドシザース。じっくりとグラウンドでタイガーを攻め込みます。
これを脱出したタイガーは、リバースインディアンデスロックを放ちますが、差し込んだ右ヒザに痛みを感じたのか、ボーアンドアローに切り替えます。
これを逃れたソントンは、豪快なペンデュラムバックブリーカー。場外でタイガーに鉄柱攻撃とラフファイトを見せます。
さらに先に場内に戻ったソントンは、トップロープ越しのアバランシュホールド。
カナディアンバックブリーカーで勝負をかけます。
しかしタイガーは体をひねって脱出。ダブルアームスープレックスで反撃に出ます。
タイガーが一気呵成に攻め込むかと思いきや、ソントンも粘りを見せ、再びグラウンドの攻防に持ち込みます。
タイガーは、得意の側転式のクロスボディ。
最後はサイド・スープレックスの体勢からソントンを抱え上げ、ジャンピングしてのツームストーン・パイルドライバー一閃!
タイガーがソントンにフォール勝ちし、NWA世界ジュニアヘビー級王者となります。
タイガーの歴史的な快挙も、静岡という地方会場ということで、試合後の盛り上がりもやや静かな感じでした。また、実況も、オンエア上はすでに結果が出ている関係で、「翌日はB・タイガーとのWWFジュニアヘビー級タイトルマッチ、奪取すればジュニア二冠王」ということにも触れられず、そこもやや盛り上がりに欠けた要因かも知れません。
当時は生中継が頻繁に行われていましたから一般のプロレスファンにとって基本的にテレビが試合結果などを知る情報源で、速報性という点から見ると最終戦の大阪大会をまずオンエアしたというのも分かりますが、タイガーの二冠奪取という快挙を劇的に伝えるためにも、静岡→大阪という順に放映した方が良かったのではないかと感じました。
いずれにせよ、この二冠奪取によって、タイガー人気が最高潮に達し、その人気はアントニオ猪木をも凌駕していくことになります。